時雄、女学生へ続く
三十分間の道

  • 作品

    蒲団

  • 作者

    田山花袋

  • 地域

    千代田区・新宿区

01
矢来公園

東京都新宿区矢来町38
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01 矢来公園

このスポットについて

新宿区の東側に位置する矢来町にある公園です。小浜藩邸跡や杉田玄白生誕の地の碑を見ることができます。

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01 矢来公園

夏の日はもう暮れ懸っていた。矢来の酒井の森には烏の声が喧しく聞える。

田山花袋『蒲団』より

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02
中根坂

東京都新宿区納戸町44(中根坂東公園)
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02 中根坂

このスポットについて

芳子からの手紙を読んだ時雄は彼女を取り戻すべく、家を飛び出します。長いようで短い三十分間の始まりです。江戸時代、この坂の西側に旗本・中根家の屋敷があったことから中根坂と呼ばれるようになったそうです。

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02 中根坂

惑溺するなら飽まで惑溺せんければ駄目だと言ったことを思いだした。馬鹿な! 恋に師弟の別があって堪るものかと口へ出して言った。

田山花袋『蒲団』より

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03
佐内坂

東京都新宿区市谷田町1丁目 外堀通り
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03 佐内坂

このスポットについて

酔いと嫉妬で、時雄は心身のバランスを欠いたまま歩きます。この坂を上ったところに一八七四年(明治七年)に設置された陸軍士官学校がありました。

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03 佐内坂

興奮した心の状態、奔放な情と悲哀の快感とは、極端までその力を発展して、一方痛切に嫉妬の念に駆られながら、一方冷淡に自己の状態を客観した。

田山花袋『蒲団』より

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04
陸軍士官学校跡
(市谷八幡宮 裏参道)

東京都新宿区市谷八幡町15
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04 陸軍士官学校跡 (市谷八幡宮 裏参道)

このスポットについて

自らの恋を嘆き悲しむ様は酒に酔っているせいか、はたまたこの恋自身に酔っているのか、それは彼にしかわかりません。市谷八幡宮の裏参道には、かつて陸軍の士官学校がありました。戦前戦後にかけて、市ヶ谷は色濃く戦争の影響を受けた土地でもあります。

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04 陸軍士官学校跡 (市谷八幡宮 裏参道)

悲しい、実に痛切に悲しい。この悲哀は華やかな青春の悲哀でもなく、単に男女の恋の上の悲哀でもなく、人生の最奥に秘んでいるある大きな悲哀だ。

田山花袋『蒲団』より

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05
市谷亀岡八幡宮

東京都新宿区市谷八幡町15
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05 市谷亀岡八幡宮

このスポットについて

時雄はあらゆるものに理由を付けて、自分の想いを形にしていきます。この恋はどうしようもない〝事実〟なのです。鶴岡八幡宮(鎌倉)の分霊を祀っている神社です。室町時代の武将・太田道灌が奉納した軍配団扇をはじめ、複数の文化財を保有しています。

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05 市谷亀岡八幡宮

楽しく暮したその生活がどうしてこういう荒涼たる生活に変って、どうしてこういう新しい恋を感ずるようになったか。時雄は我ながら時の力の恐ろしいのを痛切に胸に覚えた。けれどその胸にある現在の事実は不思議にも何等の動揺をも受けなかった。

田山花袋『蒲団』より

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寄り道スポット
BunCoffee
Byron Bay

東京都千代田区5ー4ー2
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[営業時間] 月曜~金曜:8:00〜18:00、
土曜:10:00〜18:00
[定休日]日曜日、祝日
※詳細は公式サイトをご確認ください。

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BunCoffee Byron Bay

このスポットについて

ついに芳子の下宿先である土手三番町までたどり着いた時雄ですが、芳子はまだ帰ってはいませんでした。時雄は気が気でない様子で芳子の帰宅を待ち続け…当時の土手三番町は現在千代田区五番町です。作品中には登場しませんが、五番町のオシャレなカフェで作品の続きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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BunCoffee Byron Bay

酔は既に醒めた。夜露は置始めた。土手三番町の家の前に来た。

田山花袋『蒲団』より

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題材紹介

蒲団

田山花袋

私小説の先駆けであり自然主義文学の代表作。主人公である作家の竹中時雄は弟子である女学生の芳子に恋心を抱いてしまう。妻を持つ身で許されないとわかっていながらも、その想いを抑えることの出来ない時雄の葛藤を赤裸々に描く。

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