桜の実の熟するまで
~捨吉学生時代の
思い出を辿る~
-
作品
桜の実の熟する時
-
作者
島崎藤村
-
地域
中央区・港区
01
高輪教会
- 東京都港区高輪3ー15ー15
- [主日礼拝]毎週日曜日:10:15~11:30
- ※詳細は公式サイトをご確認ください。
1
01 高輪教会
このスポットについて
キリスト教徒だった捨吉は毎週日曜日、この会堂に通っていました。繁子との交際は、捨吉の学生時代を華やかなものにしましたが、二人についてあられもない浮名を流されていることを知り、その思い出は繁子ごと避けたいものになったのです。島崎藤村自身もここで洗礼を受け、キリスト教徒になりました。明治学院大学の中の教会もこの教会から独立したそうです。
2
01 高輪教会
その朝、彼はいくらか早めに時間を計って寄宿舎を出た。そんな風にして会堂で繁子に逢うことを避け避けしていた。
島崎藤村『桜の実の熟する時』より
3
02
高輪の通り
- 東京都港区高輪3ー15 二本榎通り
4
02 高輪の通り
このスポットについて
暑中休暇になると、いつも自分のことを心配して待ってくれている恩人・田辺の家に帰る捨吉。夕立の後の乾いた道はいつにも増して暑いですが、暑中休暇というだけで捨吉には楽しい道に感じられます。近くには「ブーランジェリーセイジアサクラ」というパン屋さんも。現存はしていないようですが、捨吉が通った高輪の通りにもパン屋さんがあったようです。長い旅のお供にいかがですか?
5
02 高輪の通り
あるいは高輪の通を真直に聖坂へと取って、それから遠く下町の方にある家を指して降りて行く。
島崎藤村『桜の実の熟する時』より
6
03
日本橋小伝馬町
- 東京都中央区日本橋小伝馬町
7
03 日本橋小伝馬町
このスポットについて
家族同然に育ててもらったことを思い出しながら、捨吉は田辺の家に向かいました。
8
03 日本橋小伝馬町
新橋で乗換えた乗合馬車は日本橋小伝馬町まで捨吉を乗せて行った。日に光る甍(いらか)、黒い蔵造りの家々、古い新しい紺暖簾は行く先に見られる。
島崎藤村『桜の実の熟する時』より
9
04
人形町
(水天宮)
- 東京都中央区日本橋蛎殻町2ー4ー1
- [開門時間]7:00~18:00
- ※詳細は公式サイトをご確認ください。
10
04 人形町 (水天宮)
このスポットについて
ずっと心待ちにしていた夏期学校に行く許可が出て、新しいものへの期待で捨吉の胸はいっぱいです。通いなれた構内も、品川の海もいつもと違って見えます。現在の「人形町」ですが、当時は町名ではなく通りの名前でした。近くの芝居町の賑わいに伴い、お土産に人形を売るお店が多くなったことからきた名称です。
11
04 人形町 (水天宮)
学校まで捨吉は何にも乗らずに歩いた。人形町の水天宮前から鎧橋を渡り、繁華な町中の道を日影町へと取って芝の公園へ出、赤羽橋へかかり、三田の通りを折れまがり、長い聖坂に添うて高輪台町へと登って行った。許されてめずらしい講演を聞きに出掛ける捨吉には、その道を遠いとも思わなかった。
島崎藤村『桜の実の熟する時』より
12
05
STREAMER
COFFEE COMPANY
KAYABACHO
13
05 STREAMER COFFEE COMPANY KAYABACHO
このスポットについて
兄の下宿を訪ねてきた母と、およそ十年ぶりの再会を果たした捨吉。隅田川の見える兄の下宿に聞こえてくる下町の賑やかな音は、母にとっては新鮮なようです。ここで少し休憩を。カフェラテが有名な、シアトル系コーヒーのお店です。捨吉のお母さんの目に新鮮に映ったかつての街の風景に思いを馳せながら、サンドイッチやおしゃれなスイーツを味わってみては?
14
05 STREAMER COFFEE COMPANY KAYABACHO
納豆売の呼声も、豆腐屋の喇叭(らっぱ)も、お母さんの耳にはめずらしいもののようであった。
島崎藤村『桜の実の熟する時』より
15
06
京橋から銀座の通り
- 東京都中央区京橋1丁目1ー1ー10
16
06 京橋から銀座の通り
このスポットについて
母と挨拶に行っていた田辺家から、一人学校へ戻る際に通ったこの辺りは捨吉が昔よく遊びまわった場所です。母と会ったことで捨吉はその日、これまでにないほど自分の子供の頃のことを思い返したのでした。歴史ある銀座の道には魅力的なお店がたくさん。中央通りを歩いたら寄り道したくなってしまうかもしれません。
17
06 京橋から銀座の通り
京橋から銀座の通りへかけて、あの辺は捨吉が昔よく遊び廻った場処だ。
島崎藤村『桜の実の熟する時』より
18
07
明治学院大学 正門
19
07 明治学院大学 正門
このスポットについて
卒業式の後、表門の桜の若木の成長に四年の月日を重ね、過去や未来への憂鬱さ、味気無さを感じていた捨吉は、落ちていた桜の実を嗅ぐとかつての幸福を思い出し、未来に期待を抱いて大学を後にしました。綺麗なキャンパスが広がる明治学院大学。捨吉と友人の菅君が仲良くなった演説会や、待望の夏期学校が開講されたチャペルにも足を運んでみてはいかが?
20
07 明治学院大学 正門
捨吉は表門のところへ出た。幾株かの桜の若木がそこにあった。
島崎藤村『桜の実の熟する時』より
21