現代に巣くう
怪人二十面相の視線を追う
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作品
怪人二十面相
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作者
江戸川乱歩
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地域
港区・台東区
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龍土町美術館通り
- 東京都港区7
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01 龍土町美術館通り
このスポットについて
明智小五郎は御茶ノ水の開化アパートから麻布龍土町へと事務所兼住居を移ったのですが、偶然にもそれは乱歩が終の棲家となる池袋へ引っ越したのと同じ年でした。龍土町は一九六七年(昭和四十二年)まで存在した町名で、現在の外苑東通りの防衛庁脇の交差点から、星条旗通りが左に分岐する交差点まで広がっていました。
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01 龍土町美術館通り
明智小五郎の住宅は、港区竜土町の閑静なやしき町にありました。
江戸川乱歩『怪人二十面相』より
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寄り道スポット
龍土軒
- 東京都港区西麻布1ー14ー4
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[営業時間]11:30~14:00(Lo13:30)、
18:00~21:30(Lo21:00)
- [定休日]日曜日、祝日
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龍土軒
このスポットについて
作品内には登場しませんが、歴史あるフレンチの店です。国木田独歩、島崎藤村、尾崎紅葉、柳田國男などが集った店として知られています。近辺に事務所を構えていたなら、明智小五郎も通っていたのかもしれませんね。
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02
有栖川宮記念公園
- 東京都港区南麻布5ー7ー29
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02 有栖川宮記念公園
このスポットについて
初めに怪人二十面相のターゲットとなる、ロマノフの宝石を所有する壮太郎の屋敷は麻布にありました。多くの豪邸や高級マンションが立ち並んでいるのが見える有栖川記念公園で、彼は目を光らせているかもしれません。渓谷や池などがあり、四季折々の花を楽しめます。休憩がてら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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02 有栖川宮記念公園
麻布の、とあるやしき町に、百メートル四方もあるような大邸宅があります。
江戸川乱歩『怪人二十面相』より
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03
骨董通り
- 東京都港区南青山5ー17ー1
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03 骨董通り
このスポットについて
怪人二十面相の好みそうなアンティーク専門店が立ち並ぶ骨董通り(アンティーク通り)です。彼は素知らぬ顔で通りを歩き、品定めをしているのではないでしょうか。現在は骨董を扱う店は減ってしまったものの、おしゃれなショップが数多く立ち並びます。
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03 骨董通り
余はこのたび、右六個のダイヤモンドを、貴下より無償にてゆずりうける決心をした。近日中にちょうだいに参上するつもりである。
江戸川乱歩『怪人二十面相』より
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04
永平寺別院 長谷寺
- 東京都港区西麻布2ー21ー34
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04 永平寺別院 長谷寺
このスポットについて
作中二つ目のターゲットとなったのは、「鎌倉時代の観音像」。もし今この近辺に怪人二十面相がいるとしたら、この像が狙われるかもしれませんね。かつての大観音像は空襲で焼けてしまいましたが、現在は観音堂に頭部に十一の顔を持つ十一面観世音菩薩が祀られています。
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04 永平寺別院 長谷寺
あの観世音像は、鎌倉期の彫刻、安阿弥の作と説明書きがありましたが、いかにも国宝にしたいほどのもの、美術ずきのぼくは、ほしくてほしくてたまりませんでした。
江戸川乱歩『怪人二十面相』より
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根津美術館
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05 根津美術館
このスポットについて
根津嘉一郎の所蔵コレクションに加え、その他収蔵品と合わせ述べ七四〇〇件をもつ私立美術館です。所蔵品には国宝、重要文化財を多く含み、「燕子花図屏風」や「那智瀧図」など有名な作品を所有しています。この美術館がある日突然もぬけの殻になったなら、それは現代に怪人二十面相が現れたということかもしれません。
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05 根津美術館
部屋の中の古名画は、壁にかけてあったのも、箱におさめて棚につんであったのも、一つのこらず、まるでかき消すようになくなっているではありませんか。
江戸川乱歩『怪人二十面相』より
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06
東京国立博物館
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06 東京国立博物館
このスポットについて
怪人二十面相が所蔵品の全てを盗みに入ると予告したのがこの国立博物館。日本最古の博物館で、誰もが一度は教科書などで目にしたことのある文化財が展示・収蔵されています。彼は現代でも、最後にはこの博物館を狙うのではないでしょうか。
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06 東京国立博物館
まだおわかりになりませんか。つまり、この博物館の中は、すっかり、からっぽになってしまったということですよ。
江戸川乱歩『怪人二十面相』より
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