荷風の愛した玉の井
今はなきおもかげに出会う

  • 作品

    濹東綺譚

  • 作者

    永井荷風

  • 地域

    墨田区

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東向島駅

東京都墨田区東向島4ー29ー7
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01 東向島駅

このスポットについて

作家である主人公は書いていた小説の結末を求めて、取材も兼ね、色街玉の井へ足を踏み入れました。当時の玉の井は現在東向島となっていますが、駅の看板には「旧玉ノ井」の文字が記されています。

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01 東向島駅

わたくしは種田先生が家族を棄てて世を忍ぶ処を、この辺の裏町にして置いたら、玉の井の盛場も程近いので、結末の趣向をつけるにも都合がよかろうと考え、一町ほど歩いて狭い横道へ曲って見た。

永井荷風『濹東綺譚』より

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02
願満稲荷

東京都墨田区墨田3ー6ー14
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02 願満稲荷

このスポットについて

玉の井は複雑に入り組んだ道に建物が所狭しと立ち並ぶ繁華街でした。荷風はここを〝迷宮(ラビラント)〟と表現しています。願満稲荷には荷風の書いた玉の井の地図が掲示されています。

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02 願満稲荷

其処はもう玉の井の盛場を斜に貫く繁華な横町の半程(なかほど)で、ごたごた建て連った商店の間の路地口には「ぬけられます」とか、「安全通路」とか、「京成バス近道」とか、或は「オトメ街」或は「賑本通(にぎわいほんどおり)」など書いた灯がついている。

永井荷風『濹東綺譚』より

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03
東清寺

東京都墨田区墨田3ー10ー2
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03 東清寺

このスポットについて

主人公はお雪に話を聞いたことで、はじめて東清寺の祠を参詣します。戦前に開かれていた月二回の縁日は、向島で一番の人出で賑わったと言われています。

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03 東清寺

板橋の右手はすぐ角に馬肉屋のある四辻(よつつじ)で。辻の向側には曹洞宗東清寺と刻(しる)した石碑と、玉の井稲荷の鳥居と公衆電話とが立っている。

永井荷風『濹東綺譚』より

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04
隅田湯

東京都墨田区墨田3ー23ー16
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※現在は営業しておりません。

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04 隅田湯

このスポットについて

主人公とお雪の出会いのシーンです。急な雨に降られた二人は二人で一つの傘に入り、雨をやり過ごすためにお雪の家へと向かうのでした。現在廃業してしまっておりますが、この隅田湯周辺が赤線地帯・玉の井であったと言われています。お雪の家があったのも、もちろんこの地区。彼女が歩いたであろう近所を散策してみるのもよさそうです。

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04 隅田湯

「じゃ、よくって。すぐ、そこ。」と女は傘の柄につかまり、片手に浴衣の裾を思うさままくり上げた。

永井荷風『濹東綺譚』より

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05
墨田三丁目交番

東京都墨田区墨田3ー6ー17
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05 墨田三丁目交番

このスポットについて

主人公は目立たないよう、わざとみすぼらしい身なりで玉の井を行き来します。

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05 墨田三丁目交番

わたくしは已(や)むことを得ず自動車に乗り改正道路から環状線とかいう道を廻った。つまり迷宮(ラビラント)の外廓を一周して、伏見稲荷の路地口に近いところで降りた事があった。それ以来、わたくしは地図を買って道を調べ、深夜は交番の前を通らないようにした。

永井荷風『濹東綺譚』より

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06
玉の井カフェ

東京都墨田区東向島5ー27ー4
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[営業時間]12:00~18:00(Lo17:30)
[定休日]水曜日、木曜日
※詳細は公式サイトをご確認ください。

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06 玉の井カフェ

このスポットについて

主人公とお雪の恋は時の流れと共にごく自然に終わっていきます。この作品の最後の章では荷風本人の半生が描かれていきます。旧玉の井にあるブックカフェで「荷風ブレンド」を飲んで、当時の玉の井の風景に思いを馳せてみては?

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06 玉の井カフェ

わたくしはこの夏のはじめに稿を起した小説「失踪」の一篇を今日に至るまでまだ書き上げずにいるのである。

永井荷風『濹東綺譚』より

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題材紹介

濹東綺譚

永井荷風

玉の井を舞台に小説家である主人公と娼婦のお雪の恋愛模様を描いた荷風の最高傑作。主人公は荷風自身の分身ともいわれている。当時の風景が鮮明に浮かぶような描写が美しい作品。

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